検査項目解説
検査名 | 心房性Na利尿ペプチド |
英検査名 | Atrial Natriuretic Peptide |
検体基準範囲 |
検体はEDTA-2Na+アプロチニン入り採血管で採血後、冷却遠心して血漿を分離し凍結する。早朝空腹時(絶飲食)に30分の安静臥位で採血する。検体は速やかに測定するか、凍結保存する。 血漿:43.0pg/mL以下 髄液 |
測定法 | CLEIA |
基準範囲出典 |
1.松岡 泰弘 他:医療と検査機器・試薬 33(4):535-540,2010 2.辻野 元祥 他:日本臨床 63(増8):577-580,2005 |
解説 |
この検査は心房圧や体液量を評価するために行う。ANPは心房の筋肉で産生・分泌されるホルモンで強力な水・Na利尿作用と血管弛緩作用がある。心房筋の伸展・収縮により産生されるため心房圧の上昇や体液量の増加があると産生量が増え血中量が増加する。臨床的には心不全の重症度に比例してANP濃度が増加するので、心不全の重症度診断、経過把握、治療効果判定に有用である。 高値(血漿):ADH分泌異常症候群、Cushing症候群、肝硬変、急性冠症候群、うっ血性心不全、原発性アルドステロン症、甲状腺機能亢進症、心房性不整脈、体液量増加、妊娠高血圧症候群、ネフローゼ症候群、本態性高血圧症、慢性心不全、慢性腎不全、敗血症、糖尿病、肥大型心筋症、冠動脈疾患、肝硬変、子癇前症 高値(髄液):てんかん 低値(血漿):褐色細胞腫、甲状腺機能低下症、体液量減少、副腎不全、尿崩症、体液量減少、甲状腺機能低下症、副腎不全、尿崩症、褐色細胞腫、インスリン依存性糖尿病、腎透析後、腎移植、心移植 |