検査項目解説
検査名 | CA19-9 |
英検査名 | Carbohydrate Antigen 19-9/CA19-9 |
検体基準範囲 |
検体採取後速やかに測定する。室温で1日、冷蔵で1週間保存可能である。 血清:腫瘍マーカーとしてのカットオフ値:37.0U/mL以下 |
測定法 | CLEIA |
基準範囲出典 |
1.鈴木 尚子 他:医学と薬学 56(6):897-907,2006 2.大倉 久直 他:日本臨床 48(S下):931-933,1990 3.Torok N, Gores GJ: Cholangiocarcinoma. Semin Gastrointest Dis 2001 Apr;12(2):125-132 4.宮崎敬子ほか:糖鎖と臨床検査 癌関連性糖鎖抗原─CA19-9を中心に.臨床検査 52:573-583,2008 |
解説 |
この検査は消化器系腫瘍のスクリーニングと膵癌の治療効果の判定、再発の早期発見のために行う。CA19-9はヒト大腸癌細胞株を免疫原とするモノクローナル抗体により認識される糖鎖抗原で、抗原決定基はシリアルルイスAとされている。このため、日本人の約10%に存在するLewis抗原陰性者は癌化しても偽陰性を示す。臨床的には膵癌マーカーとして治療効果判定に使われるが、スクリーニング検査には不適である。癌が疑われるが低値の場合はルイス式血液型を調べる。また、高値でも膵癌が否定される場合は胆道閉塞や嚢胞を疑い検査を進める。関連するマーカーはCEA、SLX、PSTI、POA、CA50などである。 高値(血清):食道癌、胃癌、膵癌、大腸癌、胆道癌、胆管癌、肺癌、肝細胞癌、乳癌、卵巣癌、 偽陽性:糖尿病、慢性肝炎、肝硬変、原発性胆汁性肝硬変、胆嚢炎、胆管炎 |