検査項目解説
検査名 | クロール |
英検査名 | Chloride/Cl |
検体基準範囲 |
うっ血を避けて採血し、速やかに遠心分離し測定する。保存は冷蔵、冷凍共に可。 血清:98~109mEq/L |
測定法 | 電極法 |
基準範囲出典 |
1.関口 光夫:検査と技術 17(9):1167-1172,1989 2.桑 克彦:臨床検査 34(11):1353-1358,1990 3.小出 輝:日本臨床 47(S上):639-642,1989 4.Tietz Textbook of Clinical Chemistry. Edited by CA Burtis, ER Ashwood. WB Saunders Company, Philadelphia, PA, 1994 5.Seifter JR. Acid-base disorders. In: Goldman L, Schafer AI, eds. Goldman-Cecil Medicine. 25th ed. Philadelphia, PA: Elsevier Saunders; 2016:chap 118. |
解説 |
Clは血清陰イオンの約70%を占め、(C-)+(HCO3-)の量はNa⁺の量とほぼ等しく、Na+の濃度と並行して変動する。臨床的には陽イオンであるK+、Na+と同時に測定し酸・塩基平衡の状態や水・電解質異常を把握するする。酸・塩基平衡の異常が疑われたら、血液ガス分析でHCO3-を測定し、anion gap(AG)を算出する。AG=(Na+)-(Cl-)+(HCO3-) 高値(血清):21-水酸化酵素欠損症、Desmolase欠損症、Fabry病、Lowe症候群、Wilson病、呼吸性アルカローシス、尿細管性アシドーシス、ネフローゼ症候群、ビタミンD抵抗性、ビタミンD欠乏症、シスチン症、チロジン血症、糖原病1型、ガラクトース血症、遺伝性フルクトース不応症、クリオグロブリン血症、多発性骨髄腫、自己免疫性甲状腺炎、糖尿病性腎症、副甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症、特発性高Ca血症、アミロイドーシス、鎌形赤血球症、高ガンマグロブリン血症、後天性副腎不全、偽低アルドステロン症、多発動脈炎、近位尿細管性アシドーシス、遠位尿細管性アシドーシス、慢性腎盂腎炎、閉塞性腎症外、シェーグレン症候群 低値(血清):Addison病、SIADH、急性副腎不全、呼吸筋障害、呼吸中枢障害、呼吸性アシドーシス、慢性腎炎、慢性腎盂腎炎、腎不全、水分過剰投与、代謝性アルカローシス、急性間欠性ポルフィリン症、胃潰瘍、頻回の嘔吐、下痢、低張性脱水症、胃液吸引、大葉性肺炎、肺気腫 |