検査項目解説
検査名 | 赤血球沈降速度 |
英検査名 | Erythrocyte Sedimentation Rate/ESR |
検体基準範囲 |
検体採取後直ちに検査する。 血液:男性(2~10mm/hr)、女性(3~15mm/hr) |
測定法 | ウエスターグレン法、全自動赤血球沈降速度測定装置 |
基準範囲出典 | 1.金井正光:赤沈.臨床検査法提要 改訂第32版.金原出版,2005,p367 |
解説 |
ESRの機序についてはいまだ不明な点もあるが、血漿蛋白の種類、濃度、血漿粘度、赤血球形態、赤血球数などが大きく影響している。この検査は非特異的な検査で異常が特定の疾患に結び付くものではないが、種々の疾患の経過観察の指標として用いられる。また、炎症、特に急性心筋梗塞、胆嚢炎、胸膜炎、腹膜炎などで著明に亢進することから、急性相反応物質と併用して測定される。臨床的には炎症性疾患、悪性腫瘍、膠原病、血清蛋白に異常をきたす疾患などで測定される。 亢進(血液):Behcet症候群、Crohn病、悪性腫瘍、乳癌、腎細胞癌、ウイルス性以外の急性・慢性感染症、炎症性疾患、肝硬変、急性心筋梗塞、急性白血病、原発性マクログロブリン血症、膠原病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リウマチ熱、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、急性骨髄炎、骨髄炎、細菌性心内膜炎、うっ血性心不全、ネフローゼ症候群、多発動脈炎、側頭動脈炎、急性虫垂炎、骨盤内炎症性疾患、全身性エリテマトーデス、貧血 遅延(血液):赤血球増加症、真性多血症、脱水症、低・無フィブリノゲン血症、播種性血管内凝固症候群、伝染性単核球症、無β-リポ蛋白血、クリオグロブリン血症、遺伝性球状赤血球症、鎌形赤血球症、第Ⅴ因子欠乏症、うっ血性心不全 |