疾患解説
フリガナ | イショクヘンタイシュクシュビョウ |
別名 | |
臓器区分 | 血液・造血器疾患 |
英疾患名 | Graft versus Host Disease(GVHD) |
ICD10 | T86.9 |
疾患の概念 | 移植されたドナーの免疫担当細胞(同種T細胞)が、ホストに拒絶されずに生着し、免疫反応を起こし、臓器障害を引き起こす疾患で、移植後3ヶ月以内に発症する急性GVHDと3ヶ月以上持続する慢性GVHDに分けられ、造血幹細胞移植患者の30~50%に見られる。治療法がないので死亡率は90%を超える。同種移植のレシピエントは、全てが移植片拒絶反応のリスクがあり、レシピエントの免疫系が、移植片を異物として認識し、破壊しようとする。特に骨髄、腸管および肝などの免疫細胞を含む移植片のレシピエントは、移植片対宿主病のリスクが高い。 |
診断の手掛 | 移植後2~6週後に手掌や足底に紅班、丘疹を認めたら急性GVHDを、皮膚や口腔粘膜に扁平苔癬様の皮疹を認めたら慢性GVHDを疑う。輸血後GVHDは輸血後1~2週で発熱、丘疹、紅班で発症し肝機能障害、消化器症状が見られるので注意する。 |
主訴 |
肝腫大|Hepatomegaly 眼乾燥|Dry eye 丘疹|Papule 下血|Melena 下痢|Diarrhea 紅斑|Erythema/Rubedo 食欲不振|Anorexia 発熱|Pyrexia/Fervescence/Fever 皮疹|Eruption/Exanthema 皮膚乾燥|Xeroderma |
鑑別疾患 |
中毒疹 生着症候群 閉塞性細気管支炎 肝静脈閉塞性疾患 サイトメガロウイルス感染症|Cytomegalovirus Infection |
スクリーニング検査 | Creatinine|クレアチニン [/S] |
異常値を示す検査 |
HLA ClassI/II Typing [Mismatch/B] Neopterin|ネオプテリン [/S, /U] Soluble HLA-FHC [/S] Soluble HLA-I [/S] Soluble Interleukin-2 Receptor|可溶性 IL-2レセプター/IL-2レセプター/可溶性 IL-2受容体 [/S] |
関連する検査の読み方 |
【クレアチニン】 発症初期に上昇する。 【肝機能検査】 黄疸と肝酵素の上昇が見られる。 【HLA-クラスI/IIタイピング】 不一致の場合GVHDを発症する可能性がある。生体は免疫応答で自己と非自己を区別するが、そのマーカーがHLA抗原で、クラスI(HLA-A、B、C)とクラスII(HLA-DR、DP、DQ)がある。臨床的には移植:患者とドナーとの間でどの程度HLA抗原タイプが一致しているかを見る。不一致の場合は移植された組織(移植片)中のT細胞が宿主を非自己と認識し攻撃する移植片対宿主疾患(GVHD)を発症する。 【診断】 確定診断は皮膚性検及び骨髄生検で行う。 |
検体検査以外の検査計画 |